2024/03/23 21:56

 色を塗ることが苦手な私は、モノクロの世界に変な言い訳をつけて飛び込むことにしました。と言っても、大きな決意だとか意欲があったわけではなく、「描いてみようかなあ」という程度の気持ちで、年に1度の年賀状の裏に、年始のご挨拶と私のモノクロペン画をコピーして、お付き合いのあった方々に見てもらうことにしました。私はど素人なので、人前に出せるような作品を描けるわけではなく、絵の対象物・モチーフがなかなか決まらず、1年目はあれこれ考えるだけで、実行できずに終わってしまいました。

 それからです。気持ちが本気になりました。外へ出て、あまり人がいない、静かで自然がいっぱいな所を選んで歩き回りました。「色を消して見たときに、綺麗だなあと思えるもの」を探しに出たのです。いくつか見つかりました。見つけては、スマホで写真を撮って帰りました。家に帰って、夕食を摂ってから、その写真を1枚1枚チェックしました。ところが、これまた「やっぱり良いなあ」と思えるモチーフが見つかりませんでした。写真を撮ったときは、感動を覚えながら「これだ!」と思いながら写真に収めたはずなのですが、時間を置いて眺めると「なんでこんなものを?」と、がっかりした気持ちになりました。そんな日が何日も何日も続きました。時間を置くと感動が減衰するのですね。…… そして、やっと見つけました。